研究概要 |
本研究の目的はトップアスリートを発掘する際に有用な日本人女子の予測身長プログラムを開発することである.シンクロ選手45名ならびに163cm以上の女子大学生34名を対象に出生時から15歳以上の身長記録データを収集した.BTT法による身長速度曲線パラメータおよび身長予測値,成熟時身長を比較,検討することで以下の内容が明らかとなった.BTT法による身長予測値と成熟時身長の間には相関関係が認められたが,成熟時身長が160cm以上の場合には身長予測値が実際より低く,160cm以下で実際より高く見積るという傾向が認められた.高身長者の発育パターンには,思春期の開始年齢が早く,思春期開始時点での成長速度が高いという特徴が認められた.子供の身長に対する両親の身長の影響については,父親よりも母親の身長の方がその影響は大きかった.トップアスリート発掘においてBTT法による身長予測値を用いる場合には,その基準値の設定には注意が必要であり,身長速度曲線パラメータの特徴や両親の身長といった他の観点からの評価を併用することで,その確度を高められるものと考えられる.
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