研究概要 |
これまで内臓脂肪の過剰蓄積が生活習慣病を惹起する要因の1つであることが報告され, 生活習慣病の予防には内臓脂肪量の軽減が重要とされている. 従って内臓脂肪に関しても血圧や血液生化学データと同様に簡便かつ正確な測定法の確立が望まれる. 我が国での内臓脂肪面積(visceral fat area ; VFA)の正常範囲は腹部のX線CT法による画像診断で脂肪面積が100cm^2未満と定められている. 現在のところX線CT法による臍高部の画像診断が最も信頼しうる指標とされているが, 放射線の被曝やコストの面などから簡便に測定することは困難である. そこで本研究ではX線CT法による画像診断で得られたVFAを妥当基準とし, 多周波インピーダンス(impedance ; IP)法を用いて立位, 仰臥位, 座位の姿勢で3種類の電極配置を腹部に設定し, 3種類の解析方法を用いてVFAを推定する方法論の開発を行った. 重回帰分析よりVFAを求める説明変数として採用された項目は年齢, 性別, 仰臥位姿勢で周波数50kHzの周波数で検出電極と電流電極の間隔が10cm(電極配置B)であるIpb,腹部縦径(sagittal abdominal diameter ; SAD), ウエスト/ヒップ比(waist-hip ratio ; WHR)であり, 本式から算出されるVFAの推定値は実測値と高い相関を示した.
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