研究概要 |
現在では,生体における非周期変動,すなわち,リズムの乱れやゆらぎの性質に注目した検討の有用性が認められている.そのなかで,ゆらぎの存在は生物の有する通常機能の現れであり,機能の不全時にその大きさが減少したり,失われたりするとの見解が支持を得つつある.そこで本研究では,心拍動や脳活動に関わる各種生体計測データ(心拍数変動,血圧変動,心電図,脳波,脳磁図)に対して,カオス,(マルチ)フラクタル,ウェーブレットなどの非線形解析手法を駆使し,それらの結果の複合的な分析を通して,心機能と脳機能を中心とする生体機能の正常(健常)と異常(病態)の境界領域を判定しうる新しい健康指標とそれによる評価システムの構築を目指した.
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