研究概要 |
日本語話者は中国語の「有気音」と「無気音」を聴き取れなく,帰宅後の自習も自分の発音に対して正確な評価手段もない。本研究では,中国語話者9名と日本語話者20名の中国語の有気音二重母音唇音pai[p'ai], pao[p'ao], pei[p'ei]とpie[p'iε],舌尖音tai[t'ai], tao[t'ao],tie[t'iε]とtou[t'ou],舌根音kai[k'ai], kao[k'ao], kie[k'iε], kou[k'ou]の3種類の音節,全部で12音節の発話のVOTとVOT中に吐いた息のパワーを比較するにより,従来の有気音評価の結果と異なるパターンを発見した。すなわち,有気音の正確さはVOTの長さだけではなく,VOT中に吐いた息のパワーにも依存することが分かった。その結果より,新たな発話評価基準を確立した。更にその新しい発話評価基準を用いて,中国語の「有気音」と「無気音」の発話の訓練システムを開発し,「有気音」と「無気音」の発話の正確さを判定した。その結果「無気音」の判別率は約85%,「有気音」の判別率は76%であった。
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