研究概要 |
本研究では,農牧業が地域産業として重要な「周辺地域」において,経済のグローバル化へ対抗しながら自立した産地の形成を目指す動きについて,肉用牛生産を事例に検討した。その結果,日本の2大肉用牛産地である南九州と北海道東部とでは経営形態が大きく異なるものの,今後も持続的に発展していく可能性が見出せた。しかし,和牛産地としての南九州では畜舎の増築や粗飼料生産基盤の確立が急務で,乳用種肉用牛産地としての北海道東部では子牛・枝肉の取引価格における価格保証制度の維持が不可欠であることが明らかになった。
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