研究概要 |
日本最大のロックフィルダム徳山ダムの運用が始まり,河川環境に及ぼす影響については危惧されている現状がある.このため,本研究では,徳山ダムの下流に形成されたタコノアシの大群落に着目し,3年間にわたり,これらの絶滅危惧植物群落がどのような個体群動態を示すのかについて調査し、解析を行った.この結果,徳山ダムの湛水によって,揖斐川河川中流域における10カ所以上の個体群は大きな影響を受けなかったが,河口近くの個体群は海水の潮汐による影響を大きく受けることになり,生育環境が劇的に変化したことが示された.これらの個体群変動は降雨量などの環境変動を大きく受けることから,徳山ダムの影響だけを評価することは難しかったが,ダムの湛水後の影響も少なくないことが示された.
|