研究課題/領域番号 |
19520313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
各国文学・文学論
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
梅本 順子 日本大学, 国際関係学部, 教授 (40180799)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 比較文学 / 田村直臣 / 花嫁事件 / 築地居留地 / オーバーン神学校 / プリンストン神学校 / 言文一致体 / 宗教教育 / 日曜学校 / 内村鑑三 / 自営館 / トゥルー夫人 / 『信仰五十年史』 |
研究概要 |
多方面において人道的、かつ教育的に活動した牧師、田村直臣という人物の足跡を、The Japanese Brideに代表される日本の風習や習慣を紹介するための英書の発行や、それに先立つ童話集の翻訳などの仕事を中心に、文化の受容、発信という視点からたどった。田村の多様な活動の背景には、四年あまりのアメリカ留学と、帰国後も五年に一度の割合で海外に出かけた経験がある。当時まれにみる国際人として、幅広い知識と卓越した語学力で日本文化を発信、かつ西欧の文化の受容と紹介に努めたことが明らかとなった。田村が先駆者となったものとしては、宗教教育の実践、児童文学の翻訳の際の言文一致体の導入などが挙げられる。また、アメリカでのThe Japanese Brideという英文書籍の出版は、新渡戸稲造の『武士道』よりも早い。日本女性の窮状を、結婚をテーマに紹介した同書には、当時すでに男女平等を説く、田村の思想が表れていた。そのため、同書を日本で翻訳・出版するとなると、保守派のみならず、日本基督教会側からも圧力がかかった。それが「花嫁事件」であり、田村は牧師職の剥奪という処分を受けるが、独立教会の牧師として、「児童」と「女性」の問題に生涯にわたって関わり続けたのだった。
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