配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2009年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
研究概要 |
本研究は知識経済下における農業地域の発展メカニズムを連続的な技術革新,すなわち知識創造とその伝播の仕組み(学習する地域)から明らかにしようとした。具体的には,消費者の健康・安心安全などの志向やそれを受けた脱生産力主義への政策変化に鑑み,環境保全型農業の技術的柱の一つである総合的病害虫管理(Integrated Pest Management,以下IPMと略す)を指標に,その普及の先進県である高知県を対象としてIPM普及の地域的仕組みを究明した。その結果,(1)IPMは施設園芸諸県,とりわけ高知・福岡・茨城などで普及していること,(2)高知県では安芸地方で集団的普及に成功していること,(3)その普及はIPM技術の情報を共有し,流動する仕組みによるところが大きく,農家間の協働的競争と共生がそれに作用していたこと,(4)このような仕組みの構築が弱い茶業地区では普及が進展していないこと,(5)日本のIPM技術の導入先であるオランダではIPMが当たり前となり,消費者への情報伝達の手段として新たな認証制度も立ち上げられていること,の5点が明らかとなった。
|