研究課題
基盤研究(C)
アダム・スミスの経済学は理神論的な予定調和の思想やニュートン的な科学の方法に基づいて構築されている、という伝統的な理解は一面的である。スミスの場合、科学方法論の基礎に進化生物学的な共感や種の存続という本能論的・心理学的認識が貫いており、それが、食物のカロリー的効率性や人間が等しくもつ自由の犠牲=労働という認識に基づく独自の労働価値説や自然価格論を支えていることを、文献的証拠に基づいて明らかにした。スミスは単純な「自由放任」の思想家ではなく、生物学的な意味での種の存続と個人間の互恵性を重視した思想家なのである。
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『商経論叢』(神奈川大学) 43巻1号
ページ: 113-153
110007001222
商経論叢 第43巻第1号