研究概要 |
日本の大企業・中企業は,就職希望の学生に対して大学卒業の約1年前に内定(内々定)を出す。新卒者採用予定の多くの企業は,学生が卒業するまでの期間にeラーニングや集中講義,イベントの参加,OJTなどの教育訓練プログラムを提供する。これは入社前研修と呼ばれる。 この調査研究は,入社前研修の効果と問題点について,日本と韓国企業へのインタビュー調査や日本の企業へのアンケート調査によって考察したものである。 分析の結果,入社までの学生のモチベーション維持や人間関係能力の構築・ネットワークづくりなどの効果を認識していることが明らかになった。一方で,専門ビジネススキルの向上には,ほとんど効果がないという見方を示している。入社前研修の問題点としては,学生との時間調整が難しいことや企業負担増などが指摘された。
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