| 研究概要 |
本研究は,高齢犯罪者について社会福祉および老年学の立場から実態を掴み,かれらの社会復帰について社会福祉実践の立場から可能性を探索した。高齢犯罪者は,矯正・保護での処遇が困難化して課題となり,触法障害者とともに政策面で社会福祉との連携が図られるようになった。高齢犯罪者へのインタビューを通じ,犯罪とともに社会的孤立を経験し,かれらが老年期の中で人生をやり直す課題に直面すると同時に,社会復帰を希望しても達成できないことへのあきらめを有していることが分かった。実践面では,福祉サービスによる社会復帰の支援も進む中,矯正・保護との連携は円滑でなく,福祉関係者の理解も乏しい。相互の理解と役割の明確化から,矯正・保護と社会福祉の連携が展開していくと考えられる。
|
