研究概要 |
3歳入園児を対象に,入園前年度から卒園年度の4年間,家庭,教師,仲間という環境の中で,幼児が自己を主体としていかに向社会的行動を学習するかを検討した。入園前の母親の統制傾向は向社会的行動に,応答性傾向は攻撃行動に関与し,これが,環境移行期の仲間との相互作用に個人差と関連している。環境移行期においては,困窮場面における自発的援助が仲間関係の形成に関与している。教師によって社会的スキルの「気になる側面」が異なりこれが子どもとの相互作用,仲間関係に反映されていた。環境移行期における「教師-子どもの関係」「仲間関係」といった人的環境は,社会的スキルの獲得に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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