研究概要 |
一般に,抑うつ(depression),敵意(hostility),さらに,神経症傾向(neuroticism)とった心理的特性は主の心臓血管系の身体的な健康のリスクとされている.また,これらの3つの特性の間には一定の相関関係があることが知られている.このことから抑うつ,敵意,神経症傾向の3特性間には何らかの共通成分が存在し,それらが身体的なリスクとなっている可能性を検討した.今回,取り上げた共通成分はコントロール不可能性の認知に関するもので,2度にわたる質問紙調査を通してコントロール不可能性の認知が3つの特性の共通成分として存在することを明らかにしたが,寄与する割合は必ずしも大きいものではなかった.
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