研究課題/領域番号 |
19530682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
岡 幸江 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (50294856)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2008年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 地域の関係性 / 地域拠点 / 共同性と地域の学習 / 地域文化 / 消費的生活様式 / 地域 / 共同性 / 子ども / 身体性 / 伝統 / 人間形成 / コミュニケーション / 拠点 / 消費的生活関係 |
研究概要 |
本研究は、金銭を伴う地域サービスを媒介として人間関係・社会関係をふくむ<関係性の再構築>にむかう実践の調査を通して、地域の相互扶助文化の今日的意味を、地域福祉と社会教育の接点に位置する視点(関係性に支えられた社会的自立をいかに地域的に支えるか)から明らかにしようとするものである。特に消費的生活様式の広がりに対して、人々が建前をこえた固有の生活様式を獲得していく可能性に注目し、沖縄本島北部の「共同店」という金銭を媒介させた地域拠点の現在、とくに発祥地国頭村奥集落・奥共同店から、課題を明らかにしようとした。 沖縄の共同店は、大規模消費店が進出しにくい地域条件にあった沖縄本島北部で根強く維持されてきたが、初年度調査から、近年急激に本島北部にも消費的生活様式が浸透し、共同店文化が過渡期にさしかかっていることを確認した・またその際、共同店を中核とした地域コミュニティ形成への子ども・青年壮年・老年層の意識の差異が生じていることを、コミュニティ文化の継承における重要な課題として注目した。 本研究はそのうえで、各世代のなかでも消費的生活文化の影響を比較的うけず、もっとも地域の相互扶助文化を体現している<子ども層>がいかに地域の諸関係にまたがる文化に参加・継承していくのかに焦点を定め、小学校の協力を得て、子どもたちにワークショップ型調査を実施した。美大生の協力も得て、「奥共同店パンフレットをつくる」過程をともにするなかで、子どもたちと子どもたちをとりまく大人たち各層の「共同観」や「共同店観」さらに地域観の現在とその変遷を参画的にひもとこうと試みた。その結果、子どもたちの視点やことばは、大人や奥集落の自然にまるごとかかわり身体性をもって「共同」をとらえていること、そこから諸課題をかかえる親子をも包み込む「共同の子育て」がいまだ奥集落には息づいていることがうかがえた。一方、地域の伝統と成果の厚さゆえに、地域の知のありかたに暮らしの身体感覚が希薄化し、各世代が地域づくりに参画していくことは困難になりつつあることも垣間見えた。本研究は基盤研究C「自然と文化の社会教育学構築への基礎的研究」として、北海道・アイヌ文化調査との比較も用いながら継続していく予定である。
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