研究課題/領域番号 |
19530746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育社会学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
恒吉 僚子 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50236931)
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研究分担者 |
丸山 千歌 横浜国立大学, 留学生センター, 准教授 (30323942)
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連携研究者 |
丸山 千歌 横浜国立大学, 留学生センター
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研究協力者 |
BARBARA Finkelstein Univ. of Maryland
CHRISTINE Lee Singapore, NIE
伊藤 秀樹 東大, 博士
御旅屋 達 東大, 博士
徳永 智子 Univ. of Maryland
森 いずみ Penn State
SIM Kiat Choon 東大, 研究員
TEO Juin Ee Singapore, NIE
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 社会学 / トラッキング / 習熟度別指導 / 国際比較 / マイノリティ / 教育の機会均等 / 学業不振 / 国際比較研究 / 教育社会学 / 学力不振 / マイノリテイ |
研究概要 |
本研究テーマである、教育における平等とトラッキングの問題は、国際的には学業不振層や人種、民族的マイノリティの児童生徒の教育への機会均等、社会的公正や社会的再生産の問題と絡められて、極めて関心の高い領域である。そのため、西欧諸国等においては、脱トラッキング(detracking)はしばしば学校の民主主義的な使命の実現、階層格差を学力格差へと転換させまいとする立場から推進されてきた。 例えば、アメリカにおいても、脱トラッキングをこうした趣旨から進めてきた学校も少なくなく、同質的な学力編成に対して、協同学習(cooperative learning)等が、異質な学力層が共に学ぶことができる方法の一つとして、しばしば提唱されてきた。あるいは、PISAにおける高得点で知られるフィンランドにおいても、総合学校における能力別指導の撤廃等、脱トラッキングが類似した発想から支持されてきた。 そうした中で、初等教育段階で「学校内トラッキング」を行ってこなかった日本は、しばしば国際的には平等主義的な傾向を持つ国として称賛されてきた。だが、その日本では今日、初等教育においても例えば、習熟度別指導が積極的に導入され、「格差社会」の議論も盛んになりつつある。こうした中で、教育における平等との関係で日本版トラッキングの特徴を、国際的議論に貢献しうる形で、フィールドワークに基づきながら、組み直すのが本研究の目的であった。 本研究では、「トラッキング」(tracking)を、広義にとらえ、アメリカ等において焦点化されてきた教室・学校レベルの学力・能力によるグループ分け(例能力別指導、職業コース)に絡んで生じる課題群(例教育実践上の課題)と、日本において従来最も研究されてきた高校間格差を軸としたよりマクロな枠組みとを統合しながら、社会的公正、マイノリティ、教育の機会均等等の概念を軸として、日本版トラッキングの分析を国際的なequityとtrackingのディスコースにのせて再構築を試みた。また、日本国内のニューカマーの多文化教育的な研究や塾分析等、従来の高校間格差を軸としたトラッキング研究とは視点・系譜が異なった研究領域の成果を、上記軸をもとに統合的に扱うことによって、国際的議論の枠組み近づけながら、日本版トラッキングの特徴をより浮き彫りにしようとした。
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