研究分担者 |
市川 尚志 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20201923)
成 慶明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50274577)
廣瀬 進 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (10264144)
古用 哲夫 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40039128)
足立 俊明 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60191855)
|
研究概要 |
測地線を考察することにより,リーマン幾何学は発展してきたと言っても過言ではない。リーマン多様体上の数多ある滑らかな曲線の中で幾何学者は測地線を主に研究してきた。本研究においては,与えられたリーマン多様体の様々な性質を調べるために測地線を含む"良い"曲線を研究することを提案する。ところで任意のリーマン対称空間上では,全ての測地線は等長変換群の一径数部分群の軌道になっていることが知られている。そこで一般にリーマン多様体$M$の等長変換群の一径数部分群の軌道になっている曲線を$M$のキリング螺旋と呼び,これらの幾何学的性質を明らかにすることを考える。キリング螺旋はあるキリングベクトル場の積分曲線であるから言うまでもなく単純,即ち自己交叉しない曲線である。 我々の研究では,まずある幾何的対象物に関連したキリング螺旋を拾い出し,そのキリング螺旋を調べる。そして逆にキリング螺旋の性質を使って,幾何的対象物を研究する。本研究における幾何的対象物は部分多様体を指し示している。即ち,本研究では部分多様体に関連させてキリング螺旋を調べる。階数1の対称空間内の多くの等質部分多様体において,その部分多様体上のある測地線は,外側の空間内のキリング螺旋に写ることがある。これは階数1の対称空間上のキリング螺旋は部分多様体と関わりがあることを示唆している。 本研究ではまず部分多様体論を用いて,階数1の対称空間上のキリング螺旋を調べる。それから視点を逆にして,キリング螺旋の結果を部分多様体論に反映させることにする。
|