研究概要 |
Good deal boundsの研究に現れるショートフォールリスク測度に関する研究の総仕上げを行った.ショートフォールリスク測度とは,条件付請求権の売り手がうまく戦略を組んでショートフォールリスクをある閾値以下にできる最低価格を表す凸リスク測度である.このショートフォールリスク測度により,条件付請求権の価格の候補を求めることができる. 平成21年度の前半では,20年度までに得られた結果を,原資産価格過程が非局所有界である場合に拡張すると共に,admissible戦略が凸錘や凸に制約された場合についても論じることに成功した.さらに後半では,inf-convolutionに関する研究を行い,これをショートフォールリスク測度の表現の導出へ応用した.その結果,これまでに得られていたショートフォールリスク測度の表現は,Orlicz空間のうちOrlicz heartと呼ばれるものを対象としてきたが,これを完全に一般のOrlicz空間に拡張することに成功した.
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