研究概要 |
航空機タービン翼の折損事故が相次いでいる. 主要因として酸化と関係するき裂進展による破壊が原因として考えられている. そこで, その抑止策を検討するために, 酸化層(耐酸化アルミナイジング層と自然に形成される酸化膜)と結晶異方性(弾性異方性と塑性異方性)の複合作用による破損メカニズムについて調べた. その結果, コーティングを施したNi基単結晶超合金の破断寿命は, 試験片の側面方位の影響受けることが明らかになった. すなわち, 面方位{110}材の方が面方位{100}材に比べ短くなった. これは, 試験片の有効断面積の減少率および, TCP相, ボイド, {111}すべり面の配置に関係したクリープき裂の生成・進展挙動の違いによるためであると考えられる.
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