研究課題
基盤研究(C)
1.ヒストンH2AXユビキチン化変異株の作製我々は、H2AXのリン酸化部位を欠質した変異株を作製して、リン酸化が組換えに関与していることを示した。同様な方法で、ユビキチン化されるリシン残基(K119)をアルギニンに置換したものを作製した(東北大医学研究科井倉博士との共同研究)。さらに組換え欠損(XRCC3)とH2AX完全欠損は致死になることを利用して、XRCC3/H2AX2重欠損株にユビキチン化欠損H2AXK119Rを導入し、ユビキチン化欠損を条件法で解析できる株を樹立した。現在、以下の方法で様々な細胞の表現型を解析中である。2.変異株のDNA損傷修復能の解析i)感受性試験;放射線、紫外線、カンプトテシン、シスプラチン、MMSなどで処理ii)染色体分析;感受性を示した薬剤で処理した後、分裂期細胞を光学顕微鏡で観察3.UBC13のユビキチン化基質の同定UBC13はH2AX以外にDNA修復に関与する多くの分子をユビキチン化している可能性がある。このユビキチン化基質を探索するために、野生株とUBC13欠損株にDNA損傷をあたえ、細胞から蛋白質を回収する。回収した蛋白を2次元電気泳動で展開し、変異株で欠損する蛋白質を質量分析で解析する。現在、大学院生が国立遺伝研の深川研究室で抗ユビキチン抗体による免疫沈降の予備実験をおこなった。4.クロマチン免疫沈降法を用いた、損傷部位への修復蛋白の集積解析DNA損傷部位周辺にどのような因子が集積しているか、またその周辺のヒストンの修飾状態はどう変化しているかを、I-SCEI制限酵素切断法とクロマチン免疫沈降法を組み合わせて明らかにする。現在I-SCEI切断部位にH2AXおよびコヒーシンタンパク質の一種であるSMC1が集積していることを確かめ、実際にDT40を使った系で2重鎖切断部位に集積するタンパク質が特異的に調べられることがわかった。
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