魚類における性転換現象の系統発生と社会構造に関する研究

• 研究課題/領域番号: 19570016
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生態・環境
• 研究機関: 東京海洋大学
• 研究代表者: 須之部 友基 東京海洋大学, 水圏科学フィールド教育研究センター, 准教授 (00250142)
• 研究分担者: 四宮 明彦 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (90041722) ; 櫻井 真 鹿児島純心女子短期大学, 生活学科, 教授 (90321356) ; 宮 正樹 千葉県立中央博物館, 動物学研究科, 上席研究員 (30250137) ; 萩原 清司 横須賀市自然人文博物館, 自然部門学芸員 (50359113)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2010
• 研究課題ステータス: 完了 (2010年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2010年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円); 2009年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2008年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
• キーワード: 行動生態 / 魚類 / ハゼ科 / ベニハゼ属 / 雌雄同体 / 性転換 / 分子系統 / 系統解析

研究概要

本研究では互いに近縁で雌雄同体と雌雄異体の種類から成るハゼ科ベニハゼ属,イレズミハゼ属,シマイソハゼ属の配偶システムと系統関係を明らかにした.ベニハゼ属アオギハゼ,オヨギベニハゼ,カスリモヨウベニハゼ,イレズミハゼ属4種の配偶システムを飼育観察により明らかにした.その結果,アオギハゼは一夫多妻,オヨギベニハゼはランダム配偶,カスリモヨウベニハゼは縄張り雄が複数のつがいになる縄張り訪問型一夫多妻であぶれた雄はスニーキングにより繁殖に参加した.アオギハゼは雌性先熟,オヨギベニハゼは雄性先熟,カスリモヨウベニハゼは雌雄異体で体長-有利性モデルに適合している.またイレズミハゼ属4種は一夫一妻であった.mtDNAによる系統解析では雌雄異体であるシマイソハゼ属から雌雄同体のベニハゼ属とイレズミハゼ属が派生したことが明らかとなった.さらにベニハゼ属の中でアオギハゼ,オヨギベニハゼ,カスリモヨウベニハゼが単系統群を形成した.このことから雌雄異体?雌雄同体?雌雄異体の順で進化したことが示された.

研究成果

• [雑誌論文] Bi-directional sex change and gonad structure in the gobiid fish Trimma yanagitai (2009)
  • 著者名/発表者名: Sakurai, M., S.Nakakoji, H.Manabe, S.Dewa, A.Shinomiya, T.Sunobe
  • 雑誌名: Ichthyol. Res 56 ページ: 82-86
  • NAID: 10025330775
  • 査読あり
• [雑誌論文] Bi-directional sex change and gonad structure in the gobiid fish Trimma yanagitai (2009)
  • 著者名/発表者名: Sakurai, M., S. Nakakoji, H. Manabe, S. Dewa, A. Shinomiya, T. Sunobe
  • 雑誌名: Ichthyological Research 56 ページ: 82-86
  • NAID: 10025330775
• [雑誌論文] Bi-directional sex change and gonad structure in the gobiid fish Trimma yanagitai. (2009)
  • 著者名/発表者名: Sakurai, M., S. Nakakoji, H. Manabe, S. Dewa, A. Shinomiya, T. Sunobe
  • 雑誌名: Ichthyological Research 56 ページ: 82-86
  • NAID: 10025330775
  • 査読あり
• [雑誌論文] Bi-directional sex change in the gobiid fish Trimma sp.: does size-advantage exist? (2008)
  • 著者名/発表者名: Manabe, H., M.Matsuoka, K.Goto, S.Dewa, A.Shinomiya, M.Sakurai, T.Sunobe
  • 雑誌名: Behaviour 145 ページ: 99-113
  • 査読あり
• [雑誌論文] Bi-directional sex change in the gobiid fish Trimma sp. : does size-advantage exist? (2008)
  • 著者名/発表者名: Manabe, H., M. Matsuoka, K. Goto, S. Dewa, A. Shinomiya, M. Sakurai, T. Sunobe
  • 雑誌名: Behaviour 145 ページ: 99-113
• [雑誌論文] Bi-directional sex change in the gobiid fish Trimma sp.: does size-advantage exist? (2008)
  • 著者名/発表者名: Manabe, H., M. Matsuoka, K. Goto, S. Dewa, A. Shinomiya, M.Sakurai, T. Sunobe
  • 雑誌名: Behaviour 145 ページ: 99-113
  • 査読あり
• [学会発表] 館山湾におけるベラ科オハグロベラPteragogus aurigariusが性転換する条件について (2010)
  • 著者名/発表者名: 木原聡美・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会年会
  • 発表場所: 那覇市
  • 年月日: 2010-11-20
• [学会発表] 館山湾におけるホンベラの繁殖様式 (2010)
  • 著者名/発表者名: 豊田克也・木村清志・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会年会
  • 発表場所: 那覇市
  • 年月日: 2010-11-20
• [学会発表] 館山湾におけるベラ科オハグロベラPteragogus aurigariusが性転換する条件について (2010)
  • 著者名/発表者名: 木原聡美・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会第29回大会
  • 発表場所: 沖縄県男女共同参画センター(那覇市)
  • 年月日: 2010-11-20
• [学会発表] 館山湾におけるホンベラの繁殖様式 (2010)
  • 著者名/発表者名: 豊田克也・木村清志・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会第29回大会
  • 発表場所: 沖縄県男女共同参画センター(那覇市)
  • 年月日: 2010-11-20
• [学会発表] 館山湾に生息するベラ科オハグロベラPteragogus aurigariusの雌の繁殖戦術 (2009)
  • 著者名/発表者名: 木原聡美・清水庄太・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会年会
  • 発表場所: 筑波大学
  • 年月日: 2009-11-27
• [学会発表] 館山湾に生息するベラ科オハグロベラ雄における繁殖行動の多様性について (2009)
  • 著者名/発表者名: 清水庄太・木原聡美・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会年会
  • 発表場所: 筑波大学
  • 年月日: 2009-11-27
• [学会発表] 潮汐周期とベラ科魚類の群れ産卵時刻 (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡井幹雄・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会年会
  • 発表場所: 筑波大学
  • 年月日: 2009-11-27
• [学会発表] セレベスゴチの繁殖生態について (2009)
  • 著者名/発表者名: 境田沙知子・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会年会
  • 発表場所: 筑波大学
  • 年月日: 2009-11-27
• [学会発表] 館山湾に生息するベラ科オハグロベラ Pteragogus aurigarius の雌の繁殖戦術 (2009)
  • 著者名/発表者名: 木原聡美・清水庄太・須之部友基
  • 学会等名: 日本動物行動学会年会
  • 発表場所: 筑波大学
• [図書] 第16章性転換塚本勝巳編"魚類生態学の基礎" (2010)
  • 著者名/発表者名: 須之部友基
  • 出版者: 恒星社厚生閣
• [図書] 魚類生態学の基礎 (2010)
  • 著者名/発表者名: 塚本勝巳 編
  • 総ページ数: 317
  • 出版者: 恒星社厚生閣