研究概要 |
和歌山県有田地域を対象に,高品質ミカンの生産に資する灌漑諸元の確立に向けて,同生産に適した果樹の水分ストレス状態が維持される土壌水分域を,葉,土壌,大気それぞれの水ポテンシャルを関連づけることにより評価した.さらに,その水分域の維持に適した1回の灌水量および間断日数を推定し,高品質果実が収穫されたミカン園での灌漑実績と比較したところ,1日あたりの灌漑水量では両者はほぼ同じであったが,算定した間断日数の方が実績より長くなる傾向が見られた.実際の果樹の生育状況から,果実生産の安定性については,さらに実証的な検証を行っていく必要があると判断された.
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