研究概要 |
成体qcラットの脳をブレイン・マトリックスを用いて2mmごとに全脳を切り出し, パラフィン包埋標本を作製した.抗Thyrosin hydroxylase抗体およびシンプルステインキットを用いた免疫組織化学法を行い, ドーパミン作動性ニューロンを同定した.qcラットにおいて黒質領域のドーパミン陽性ニューロンの減少が観察された.また, qcラットでは線状体へ投射されるドーパミン陽性線維の密度も著しく減少していた.以上の結果から, qcラットにおけるドーパミンニューロンの形態・機能異常が示唆された.さらにmvラットにおけるPLP, MBPおよびCNPのmRNAおよび蛋白の発現量を調べたところ, ミエリン遺伝子および蛋白の発現量が低下していた.この発現低下はmvラットにおけるオリゴデンドロサイトの機能異常を示唆し, 発症メカニズムとして重要と考えられた.
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