研究課題/領域番号 |
19590067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野田 百美 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (80127985)
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連携研究者 |
城戸 瑞穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (60253457)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2008年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 神経生物学 / パーキンソン病 / 原因遺伝子 / パーキン / 赤核 / ATP受容体 / パッチクランプ法 / シナプス前終末 / 神経伝達物質 |
研究概要 |
パーキンソン病原因遺伝子の一つであり、ユビキチン・プロテアソーム系で働くユビキチン・リガーゼ酵素・パーキンは、神経伝達物質の受容体の一つ、イオンチャネル型ATP(アデノシン三リン酸)受容体(P2X受容体)に作用し、P2X受容体反応を有意に増強させることがわかった。また、P2X受容体のうち、P2X4を発現していない上頸交換神経節細胞ではパーキンによる増強作用が見られなかったことから、パーキンはP2X4を含むタイプの受容体(主にP2X6とのヘテロマー)に作用すると考えられた。そこで、以下のことを明らかにした。 1)P2X4/6受容体サブタイプとパーキンの共発現 赤核におけるパーキンおよびP2X4受容体の局在を免疫組織染色で詳細に観察したところ、小細胞・大細胞があるうち、主に25μm以上の大細胞で共発現していた。 2)パーキン・P2X4受容体が発現する神経細胞と神経伝達物質 パーキン及びP2X4受容体が発現する大細胞がどのタイプの神経細胞であるかを同定するため、シナプス小胞の各種神経伝達物質トランスポーターの抗体を用いて組織免疫染色を行ったところ、大細胞の多くがコリン作動性、グルタミン酸作動性であり、GABA作動性神経細胞のマーカーではあまり染まらなかった。 3)パーキンとP2X受容体の機能解明 赤核脊髄路・小脳におけるシナプス伝達に、多様な神経伝達物質と一緒に放出されると考えられているATPとその受容体(P2X4/6)がどのように関与しているのかを電気生理学的に検証した。 ATPの還流方法は局所投与にした。大細胞に発現するP2X受容体の反応を検出できた。P2X4サブタイプに効き反応を増大させるイベルメクチンを作用させたところ、観察されたATP誘導電流は大きくなった。従って、少なくとも赤核大細胞にはP2X4を含むイオンチャネル型受容体が発現しており、機能していることが示唆された。 今後、パーキン欠損マウスを使用するか、パッチ電極内にパーキン抗体を入れてパーキンを阻害することにより、観察されるATP誘導電流が小さいかどうかを検討する必要がある。
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