研究概要 |
1. 申請者は薗頭反応を鍵反応としてシアル酸の4-O-プロパルギル基への種々のヘテロアリール基の導入を行った. その結果, α-4-O-2-チエニルシアル酸誘導体に強いhPIV-1阻害活性(IC_(50)=1.2μM)が認められた. 一方, β-4-O-2-チエニルシアル誘導体は弱い阻害活性(IC_(50)=1.1mM)であったことから, hPIV-1阻害活性の発現にはα-4-O-2-チエニル構造が重要であることが明らかとなった. 2. シアル酸の4-O-チオカルバモイルアルキル基の炭素鎖長のhPIV-1阻害活性に及ぼす影響を調べた. その結果, 活性の強さは4-O-チオカルバモイルアルキル基のアルキル基の長さがメチル基(IC_(50)=9μM)>エチル基(IC_(50)=68μM)>プロピル基(IC_(50)=102μM)の順であった. 阻害活性発現にはチオカルバモイル基が重要であり, 炭素鎖長はメチレン基が最適であることが判明した. 3. シアル酸誘導体にFerrier反応を適用することにより, これまで合成法が知られていなかったユニークな骨格を持つ3, 4-不飽和シアル酸誘導体の簡便な合成法を開発した. 4. 三成分カップリング反応によりN-スルホニルアミジノ体を収率良く合成した. 側鎖のN-スルホニルアミジノ基がR^1=Me, NR^2R^3=NHPhの時, 最も強い阻害活性(IC_(50)=0.8 mM)を示した. 5. 新規4-イソシアノシアル酸誘導体からUgi反応により多様な置換基を持つシアル酸誘導体を合成した. 側鎖がR^1=H, R^2=n-Pr, R^3=Meの時, 最も強い阻害活性(IC_(50)=5.1 mM)を示した.
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