研究課題/領域番号 |
19590133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
川原 正博 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (40224828)
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研究分担者 |
定金 豊 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (60293304)
木葉 敬子 九州保健福祉大学, 薬学部, 助手 (00369175)
永田 哲也 九州保健福祉大学, 薬学部, 助手 (00454992)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2008年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 中毒学 / 無機金属毒性 / 亜鉛 / カルシウム / アポトーシス / p8 / 小胞体ストレス / アルツハイマー病 / プリオン病 / 虚血性神経細胞死 / チャネル / プリオン / 銅 / 小胞体 / RT-PCR / イメージング / カルノシン |
研究概要 |
亜鉛によるアポトーシスのメカニズムを解明するために、視床下部神経細胞由来の細胞株であるGT1-7 細胞を用いて研究を行った。亜鉛は、濃度依存的にGT1-7 細胞のアポトーシスを引き起こす。これは、L型Ca2+チャネルブロッカーによって抑制されることが明らかになった。さらに、細胞内Ca2+イメージングを行った結果、亜鉛が細胞内Ca2+濃度の上昇を引き起こすことから、Ca2+ホメオスタシスの関与が示唆された。また、さらに亜鉛による神経細胞死を抑制する物質を探索した結果、カルノシン、ヒスチジン、クエン酸などが抑制することが明らかになった。そこで、DNA マイクロアレイアナリシスにより亜鉛による神経細胞死の過程で発現している遺伝子群を探索した結果、MT-2、ZnT-1 などの金属結合蛋白等に加えて、さまざまな遺伝子群等の発現が増加していることが判明した。RT-PCR を用いて、これらの遺伝子の亜鉛による発現パターン、カルノシン等の抑制物質の影響を観察した結果、小胞体ストレス関連遺伝子群の発現が大きく関与していることが明らかになった。 さらに、このような亜鉛のホメオスタシスに影響する因子を検討した結果、銅・亜鉛結合蛋白であるプリオン蛋白に着目し、プリオン蛋白の神経毒性に及ぼす金属の影響を検討した結果、亜鉛キレーターであるTPEN がプリオン蛋白によるアポトーシスを増強することが明らかになり、プリオン病発症における金属の関与を示唆する結果が得られた。 本研究により、虚血時の亜鉛が関与する神経細胞死に、細胞内Ca2+ホメオスタシスの異常が誘起する小胞体ストレスが関与することを示唆する重要な結果が得られた。
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