アンジオテンシンII受容体過剰発現による腎炎増悪機構解析

• 研究課題/領域番号: 19590152
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 医療系薬学
• 研究機関: 静岡県立大学
• 研究代表者: 小野 孝彦 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60243028)
• 研究分担者: 上村 和秀 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (20303844) ; 伊藤 正樹 千葉科学大学, 薬学部 (70295559)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• 研究課題ステータス: 完了 (2008年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: 遺伝子 / 細胞 / 組織 / 循環器 / 高血圧 / 薬理学 / 細胞・組織 / 循環器・高血圧

研究概要

AT1a受容体過剰発現マウスは塩分負荷により糸球体内の細胞数が増加し、細胞外基質や線維化促進サイトカイン(CTGF)陽性領域の増加が野生型マウスよりも顕著であった。IgA腎症モデルマウス(HIGAマウス)に対してグラム陰性細菌の細胞壁成分であるリポポリサッカライドを投与したところ、凝固系の活性化とともに細胞増殖反応が見られ、第Xa因子阻害剤によって抑制が見られた。さらにAT1a受容体過剰発現マウスとHIGAマウスの交配により生まれた個体では、収縮期血圧は野生型と比べヘテロ接合型で31週以降では常に上回るとともに線維化促進、増殖因子の発現促進が観察された。これらのことから、慢性期における糸球体腎炎の進展に対して塩分負荷の軽減やアンジオテンシン受容体拮抗薬、利尿薬(サイアザイド類似薬)の有用性や、急性増悪時の抗Xa阻害剤の有用性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] アンジオテンシンII受容体過剰発現マウスの塩分負荷血圧変動と性差・組織障害 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大塚秀隆、上村和秀、北村久代、吉川俊博、大門貴志、山田浩、伊藤正樹、小野孝彦
  • 雑誌名: Pharma Medica 27 ページ: 160-162
• [雑誌論文] LPS-triggered acute aggravation of mesangioproliferative glomerulonephritis through activation of coagulation in a high IgA(HIGA)strain of ddY mice. (2009)
  • 著者名/発表者名: Makiko Shimosawa
  • 雑誌名: Nephron Exp Nephrol (印刷中)
  • 査読あり
• [雑誌論文] アンジオテンシンII受容体過剰発現マウスの塩分負荷血圧変動と性差・組織障害 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大塚秀隆
  • 雑誌名: Pharma Medica 27 ページ: 160-162
• [雑誌論文] Soluble fibrin formation in the mesangial area of IgA nephropathy (2007)
  • 著者名/発表者名: Ning Liu, Noriko Mori, Noriyuki Iehara, Kazuhide Uemura, Atsushi Fukatsu, Toru Kita, Michio Matsuda and Takahiko Ono
  • 雑誌名: Clin Exp Nephrol 11 ページ: 71-76
  • NAID: 10024140153
  • 査読あり
• [雑誌論文] Soluble fibrin formation in the mesangial area of IgA nephropathy. (2007)
  • 著者名/発表者名: Ning Liu
  • 雑誌名: Clin Exp Nephrol 11 ページ: 92-96
  • 査読あり
• [雑誌論文] Lipopolysaccharide-triggered acute aggravation of mesangioproliferative glomerulonephritis through activation of coagulation in a high IgA strain of ddY mice
  • 著者名/発表者名: Makiko Shimosawa, Koji Sakamoto, Yuki Tomari, Kohei Kamikado, Hidetaka Otsuka, Ning Liu, Hisayo Kitamura, Kazuhide Uemura, Fumiaki Nogaki, Noriko Mori, Eri Muso, Haruyoshi Yoshida, and Takahiko Ono
  • 雑誌名: Nephron Exp Nephrol (in press)
• [学会発表] Heminephrectomy accelerates glomerular matrix expansion and coagulation pathway in diabetic nephropathy of db/db mice (2008)
  • 著者名/発表者名: Ayaka Sumi, Natsuko Yamanaka, Ning Liu, Hisayo Kitamura, Kazuhide Uemura, Takahiko Ono
  • 学会等名: Renal Week 2008 by Am. Soc. Nephrol
  • 発表場所: (Philadelphia,USA) Abstract
  • 年月日: 2008-11-07
• [学会発表] Heminephrectomy accelerates glomerular matrix expansion and coagulation pathway in diabetic nephropathy of db/db mice (2008)
  • 著者名/発表者名: Ayaka Sumi
  • 学会等名: 2008年米国腎臓学会
  • 発表場所: フィラデルフィア市
  • 年月日: 2008-11-07
• [学会発表] アンジオテンシンII受容体過剰発現マウスの塩分負荷による血圧変動と性差・組織障害 (2008)
  • 著者名/発表者名: 小野孝彦、上村和秀、大塚秀隆、北村久代、吉川俊博、大門貴志、山田浩、伊藤正樹
  • 学会等名: 第31回日本高血圧学会総会(抄録集)
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2008-10-09
• [学会発表] アンジオテンシンII受容体過剰発現マウスの塩分負荷による血圧変動と性差・組織障害 (2008)
  • 著者名/発表者名: 小野孝彦
  • 学会等名: 第31回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 札幌市
  • 年月日: 2008-10-09
• [学会発表] 実験的腹膜線維症における凝固第Xa因子阻害剤の抑制効果 (2008)
  • 著者名/発表者名: 加藤こずえ、北本将幸、齊藤宏樹、北村久代、上村和秀、野垣文昭、森典子、武田敏也、小野孝彦
  • 学会等名: 日本透析医学会第53回学術集会(講演抄録集)
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2008-06-20
• [学会発表] 実験的腹膜線維症における凝固第Xa因子阻害剤の抑制効果 (2008)
  • 著者名/発表者名: 加藤 こずえ
  • 学会等名: 日本透析医学会第53回学術集会
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2008-06-20
• [学会発表] 2型糖尿病モデルdb/dbマウスの片腎摘による糸球体内基質増生と凝固の進行 (2008)
  • 著者名/発表者名: 隅彩香、山中奈津子、劉寧、北村久代、上村和秀、小野孝彦
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会(講演抄録集)
  • 発表場所: 福岡(第50巻)
  • 年月日: 2008-06-01
• [学会発表] 凝固第Xa因子によるメサンギウム細胞の細胞外基質産生亢進と内因性第V因子の役割 (2008)
  • 著者名/発表者名: 泊裕輝、隅彩香、劉寧、北村久代、上村和秀、小野孝彦
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会(日本腎臓学会誌)
  • 発表場所: 福岡(第50巻)
  • 年月日: 2008-05-31
• [学会発表] 凝固第Xa因子によるメサンギウム細胞の細胞外基質産生亢進と内因性第V因子の役割 (2008)
  • 著者名/発表者名: 泊 裕輝
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会
  • 発表場所: 福岡市
  • 年月日: 2008-05-31
• [学会発表] IgA腎症モデルHIGAマウスにおけるvon Willebrand Factorの糸球体への沈着 (2008)
  • 著者名/発表者名: 上村和秀、三瓶祐貴、大塚秀隆、野垣文昭、武曾恵理、吉田治義、小野孝彦
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会(日本腎臓学会誌)
  • 発表場所: 福岡(第50巻)
  • 年月日: 2008-05-30
• [学会発表] HIGAマウスはToll-like receptor 4を発現し、LPS投与により凝固系活性化を介して腎炎を増悪する (2008)
  • 著者名/発表者名: 小野孝彦、下沢真木子、泊裕輝、大塚秀隆、劉寧、北村久代、上村和秀、野垣文昭、森典子、武曾恵理、吉田治義
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会(日本腎臓学会誌)
  • 発表場所: 福岡(第50巻)
  • 年月日: 2008-05-30
• [学会発表] アンジオテンシンII受容体過剰発現マウスの血圧に対する塩分負荷および性差の影響 (2008)
  • 著者名/発表者名: 大塚秀隆、上村和秀、北村久代、吉川俊博、大門貴志、山田浩、伊藤正樹、小野孝彦
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会(日本腎臓学会誌)
  • 発表場所: 福岡(第50巻)
  • 年月日: 2008-05-30
• [学会発表] アンジオテンシンII受容体過剰発現マウスの血圧に対する塩分負荷および性差の影響 (2008)
  • 著者名/発表者名: 大塚秀隆
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会
  • 発表場所: 福岡市
  • 年月日: 2008-05-30
• [学会発表] HIGAマウスはToll-like receptor 4を発現し、LPS投与により凝固系活性化を介して腎炎を (2008)
  • 著者名/発表者名: 小野孝彦
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会
  • 発表場所: 福岡市
  • 年月日: 2008-05-30
• [学会発表] IgA腎症モデルHIGAマウスにおけるvon Willebrand Factorの糸球体への沈着 (2008)
  • 著者名/発表者名: 上村 和秀
  • 学会等名: 第51回日本腎臓学会
  • 発表場所: 福岡市
  • 年月日: 2008-05-30
• [学会発表] Effects of the herbal medicine Sairei-to on rat peritoneal fibrosis partly through suppression of oxidative stress (2007)
  • 著者名/発表者名: Masayuki Kitamoto, Hiroki Saito, Hisayo Kitamura, Kazuhide Uemura, Fumiaki Nogaki, Toshiya Takeda, Noriko Mori, Takahiko Ono
  • 学会等名: Renal Week 2007 by Am. Soc. Nephrol(Abstract)
  • 発表場所: SanFransisco, USA
  • 年月日: 2007-11-02
• [学会発表] Factor Xa in combination with endogenous factor V promotes production of extracellular matrix proteins in cultured human mesangial cells (2007)
  • 著者名/発表者名: Yuki Tomari, Yorimichi Horiuchi, Ning Liu, Kazuhide Uemura, Takahiko Ono
  • 学会等名: Renal Week 2007 by Am. Soc. Nephrol(Abstract)
  • 発表場所: San Fransisco, USA
  • 年月日: 2007-11-02
• [学会発表] Factor Xa in combination with endogenous factor V promotes production of extr acellular matrix proteins in cultured human mesangial cells. (2007)
  • 著者名/発表者名: 泊 裕輝
  • 学会等名: 2007年 米国腎臓学会
  • 発表場所: サンフランシスコ市
  • 年月日: 2007-11-02
• [学会発表] Effects of the herbal medicine Sairei-to on rat peritoneal fibrosis partly through suppression of oxidative stress. (2007)
  • 著者名/発表者名: 北本 将幸
  • 学会等名: 2007年 米国腎臓学会
  • 発表場所: サンフランシスコ市
  • 年月日: 2007-11-02
• [学会発表] ワークショップ「腎障害と免疫・凝固異常」、腎炎における凝固系と炎症の関連 (2007)
  • 著者名/発表者名: 小野孝彦、森典子
  • 学会等名: 第37回日本腎臓学会西部(日本腎臓学会誌)
  • 発表場所: 福井(第49巻)
  • 年月日: 2007-10-19
• [学会発表] ワークショップ「腎障害と免疫・凝固異常」、腎炎における凝固系と炎症の関連 (2007)
  • 著者名/発表者名: 小野 孝彦
  • 学会等名: 第37回日本腎臓学会西部学術大会
  • 発表場所: 福井市
  • 年月日: 2007-10-19
• [学会発表] 実験的被嚢性腹膜硬化症(EPS)における柴苓湯の抑制効果 (2007)
  • 著者名/発表者名: 北本将幸、齊藤宏樹、北村久代、上村和秀、野垣文昭、森典子、武田敏也、小野孝彦
  • 学会等名: 日本透析医学会第52回学術集会(講演抄録集)
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2007-06-17
• [学会発表] 実験的被嚢性腹膜硬化症(EPS)における柴苓湯の抑制効果 (2007)
  • 著者名/発表者名: 北本 将幸
  • 学会等名: 日本透析医学会第52回学術集会
  • 発表場所: 大阪市
  • 年月日: 2007-06-17
• [学会発表] IgA腎症モデルマウス(HIGA)へのLPS投与における酸化ストレスと凝固系活性化を介した腎炎増悪機序 (2007)
  • 著者名/発表者名: 下沢真木子、日浅俊介、劉寧、上村和秀、野垣文昭、森典子、武曾恵理、吉田治義、小野孝彦
  • 学会等名: 第50回日本腎臓学会(日本腎臓学会誌)
  • 発表場所: 浜松(第49巻)
  • 年月日: 2007-05-27
• [学会発表] IgA腎症モデルマウス(HIGA)へのLPS投与炎症増悪時における酸化ストレスと補体レクチン経路への関与 (2007)
  • 著者名/発表者名: 下沢 真木子
  • 学会等名: 第50回日本腎臓学会
  • 発表場所: 浜松市
  • 年月日: 2007-05-27
• [学会発表] 実験的メサンギウム増殖性腎炎の尿細管上皮細胞における凝固過程の進行と上皮細胞障害 (2007)
  • 著者名/発表者名: 足立秀樹、劉寧、長谷川貴通、北村久代、上村和秀、小野孝彦
  • 学会等名: 第50回日本腎臓学会(日本腎臓学会誌)
  • 発表場所: 浜松(第49巻)
  • 年月日: 2007-05-25
• [学会発表] 実験的メサンギウム増殖性腎炎の尿細管上皮細胞における凝固過程の進行と上皮細胞障害 (2007)
  • 著者名/発表者名: 足立 秀樹
  • 学会等名: 第50回日本腎臓学会
  • 発表場所: 浜松市
  • 年月日: 2007-05-25
• [図書] IgA腎症モデルマウス(HIGA)へのLPS投与による酸化ストレス・凝固系活性化を介した腎炎増悪. 腎とフリーラジカル第9集 (2008)
  • 著者名/発表者名: 下沢真木子、日浅俊介、劉寧、上村和秀、野垣文昭、武曾恵理、吉田治義、小野孝彦
  • 出版者: 東京医学社
• [図書] 腎とフリーラジカル第9集 (2008)
  • 著者名/発表者名: 下沢真木子
  • 出版者: 東京医学社