配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2009年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究概要 |
様々なプロテオミクス手法を駆使し、肺癌診断に有用なマーカータンパク質の獲得を目指した。1.抗体プロテオミクス:腫瘍組織もしくは細胞を直接免疫する、所謂ランダム免疫法により、肺癌、膀胱癌細胞と反応する単クローン性抗体を合計1,522個作製した。この中で、肺腺癌(AD)細胞と特異的に反応する抗RACK1抗体を樹立し、その性状を報告した。この抗体により、PACK1の発現は臨床病期、腫瘍径、リンパ節転移と逆相関しており、新たな腺癌のマーカーとして有用であることを報告した。2.Secretome解析:大細胞性神経内分泌肺癌(LCNEC)由来細胞株LCN1の培養上清中の腫瘍由来ペプチドを、独自の培養上清の精製法を駆使して解析した。その結果、神経内分泌細胞由来のVGF nerve growth factor inducible (VGF)のN末側の40とC末側の19このアミノ酸からなるペプチドを見出した。このペプチドは、神経疾患のある患者の髄液中にも、同一のペプチドが見出されており、神経内分泌肺癌の新たな血清中のマーカーとなる可能性が示唆された。3.二次元電気泳動法による腫瘍抗原の解析:神経内分泌癌である小細胞癌(SCLC)とLCNEC腫瘍由来の細胞株を用いて、二次元電気泳動法で発現に相違のあるタンパク質の解析を行った。その結果、cytokeratin (CK) 7, 8, 18, 19を含む両者で発現量に相違のある25のタンパク質を同定した。さらに、CK 7, 8, 18, 19に対する抗体を用いて、各種肺癌組織を免疫染色した。その結果、二次元電気泳動法の結果と同じく、4つのCKともSCLCに比してLCNECで有意に発現が亢進していることが明らかとなった。4.肺癌患者血清中の自己抗体解析:肺癌細胞を二次元展開し、肺癌患者血清を一次抗体として用いる方法で、腫瘍特異的自己抗体の解析を行った。その結果、SCLCとLCNECを鑑別可能なvillin-1に対する自己抗体を見出した。
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