研究課題/領域番号 |
19590709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加藤 晴一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (90177452)
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研究分担者 |
藤村 茂 宮城大学, 看護学部, 准教授 (70295393)
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連携研究者 |
藤村 茂 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (70295393)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2008年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | Helicobacter pylori / マイクロアレイ / 鉄欠乏性貧血 / 鉄関連遺伝子 / 感染症 / Hclicobacter Pylori |
研究概要 |
Helicobacter pyloriが特に小児・若年者における鉄欠乏性貧血(IDA)の発症に関連することが明らかとなった。したがって、H. pylori 関連のIDAの発症機序の解明に関して、H. pylori にIDA責任遺伝子が存在するとの仮説に立ち、その特定を目指しDNAマイクロアレイ法を用いて全H. pylori 遺伝子の発現を検討した。対象はIDA小児4例および年齢と性をマッチさせた対照小児4例から分離したH. pylori 株である。また、両群各2株においては、鉄欠乏条件下で培養後に同様のマイクロアレイを行い、鉄イオンによるH. pylori 遺伝子の発現調節も検討した。対照株と比べて、IDA株で有意に高い発現 (3.5倍以上) を示した遺伝子はHP0682、hopO、hopP など29の遺伝子で、ceuE1、iceA、frpB2 など12の遺伝子は有意に低い発現 (1/3.5倍以下) を示した。中でも、外膜蛋白をコードするhopO 遺伝子とhopP 遺伝子は、H. pylori において鉄の取り込み機構に重要と報告されているヒトラクトフェリン結合蛋白の分子量 (70kDa) にほぼ一致しており、極めて高い発現差を示したHP0682 (84倍) と共に有力なIDA責任遺伝子候補と考えられた。一方、pfr、fur、fecA、あるいはfeoB など主要な鉄輸送・代謝関連遺伝子の発現は両群間で有意差がなく、IDAへの関与は否定的であった。さらに、vacA、cagN、babB、あるいはiceA 遺伝子などいくつかの病原性関連遺伝子が有意な発現差を示し、何らかの機序でH. pylori における鉄の取り込み機構に関与をしている可能性が示唆された。 H. pylori関連のIDAの病態解明は、H. pyloriだけでなく、例えば腸内細菌叢の構成細菌あるいは病原性細菌がヒトの鉄代謝に及ぼす影響およびそのメカニズムを明らかにする可能性があると思われる。
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