研究課題/領域番号 |
19590749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
手島 一陽 東大, 医学部附属病院 (30396733)
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研究分担者 |
池田 均 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80202422)
富谷 智明 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90227637)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2008年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 移植・再生医療 / 酸化ストレス / 活性酸素ラジカル(ROS) / 虚血再灌流障害 / Ischemic preconditioning / Kupffer細胞 / 脂質過酸化 / 生理活性脂質 |
研究概要 |
短時間の虚血再灌流が先行すると、その後の長時間の虚血再灌流障害が軽減されるという現象:Ischemic preconditioning(IP)の効果発現において、本年度は、IPによって細胞外に産生された活性酸素ラジカルが、1)細胞膜を構成するリン脂質の過酸化反応を惹起しているか否か、2)特に肝細胞の脂質過酸化が生じているか否か、また、3)その脂質過酸化反応がIPの効果発現に寄与しているか否か、についての検討を行った。まず、脂質過酸化定量法であるTBARS assay上、IP直後の肝組織において有意なMDA濃度上昇が認められ、IPにより肝の脂質過酸化が惹起されていることが捉えられた。更に、このIPによる肝組織中のMDA濃度上昇は、Kupffer細胞を抑制、または、superoxide dismutase(SOD)を経静脈的に前投与したラットにおいては認められず、この脂質過酸化反応が、Kupffer細胞により細胞外に産生された活性酸素ラジカルによって惹起されていることが示唆された。次に、このIPによる脂質過酸化の主座が肝細胞であるか否かについて、抗MDAモノクローナル抗体を用いた免疫組織染色による組織学的検討を行った結果、肝細胞特異的な染色陽性部が認められ、同所見もKupffer細胞の抑制ないしSOD前投与によって消失することが確認された。従って、IPにより肝細胞の脂質過酸化が惹起されていることが示唆された。これらの結果を踏まえ、脂質過酸化反応が、実際にIPの効果発現に寄与しているか否かについて、次に我々は、脂質過酸化反応の初期に活性化し、これを制御するPhospholipase A_2(PLA_2)に着目した検討を行った。前述のTBARS assayを用い、IPによって惹起されるMDA濃度上昇が抑制され得るcPLA_2阻害剤(AACOCF_3)の至適前投与プロトコールが、現在までの検討で確立された為、今後、同阻害実験においてIPの肝保護作用が消失するか否かを検討して行きたい。
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