研究課題/領域番号 |
19590927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
永谷 憲歳 循環器病センター, 研究員 (60372116)
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研究分担者 |
佐田 正晴 国立循環器病センター研究所, 再生医療部, 室長 (20162399)
大西 俊介 国立循環器病センター研究所, 再生医療部, 室長 (10443475)
山原 研一 国立循環器病センター研究所, 再生医療部, 室長 (50450888)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2008年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 核酸 / シグナル伝達 / 循環器・高血圧 / 発現抑制 / 薬理学 |
研究概要 |
肺動脈性肺高血圧症は、肺血管内皮細胞の機能障害により肺動脈の収縮や肺血管内皮・平滑筋細胞の増殖を来たす難治性疾患である。既存の治療薬は血管拡張を主な作用点としており、治療抵抗例が存在するため、我々は治療のターゲットを主たる病因である肺動脈の血管内皮・血管平滑筋細胞の増殖へ転換する必要があると考えた。肺高血圧症では、細胞増殖・分化を制御するMAPKシグナリングが病態へ関与していると考えられており、まずこのシグナル蛋白であるMEKを標的としたsiRNAをデサインし、その効果を確認した。ラットMEK1および2の双方に相同性をもつ21merのsiRNAを合成し、培養ラット血管平滑筋細胞(A7r5)にリポフェクションさせ、標的遺伝子、蛋白の抑制効率をそれぞれ定量的Real time PCR法、Western blotting法により検討したところ、siRNA濃度が1nMの低濃度でも85%以上の抑制効率を示し、また濃度10nMにおける経時的検討では少なくとも96時間以上その抑制効果が持続していた。次に、このsiRNAの血管平滑筋細胞に対する増殖抑制効果を、MAPKカスケードを下流とする増殖因子であるPDGF-BB刺激下にMTS assayを用いて検討したところ、siRNA濃度依存的に血管平滑筋細胞の増殖が抑制されていた。さらに、アポトーシス誘導効果をカスパーゼ3および7の細胞内活性を測定し検討したところ、やはり濃度依存的にアポトーシス誘導が起こっていた。以上より、我々のデザインした合成siRNAはラノト血管平滑筋細胞の標的蛋白合成を効率的に阻害し、期待された増殖抑制およびアポトーシス誘導の表現型を示すことが証明された。現在、このsiRNAを脂質化合物を用いて生体内での安定性を確保した薬物送達システムを開発中であり、ラット肺高血圧モデルを用いて標的となる肺動脈への導入効率を検討する予定である。
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