配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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研究概要 |
アルツハイマー病は認知障害を主症状として中年以降発症する神経疾患である。我が国では120万人以上の患者が存在すると推定されているが、今後、人口の高齢化に伴い、患者数が急増することは確実である。治療法の開発は医学的にも、社会的にも、また経済学的にも極めて重要な解決課題である。 我々は有効で、安全性の高い治療法を確立する目的で、DNAワクチンを開発した。DNAワクチンは1回の投与で長時間体内にとどまりDNAでコードされたAβペプチドを緩徐に作り続けるため、過剰な免疫反応を避けられる。そこで、非ウイルス性Aβ-DNAワクチンを製作し、アルツハイマー病のモデルマウスに投与すると、既にAβ沈着が認められた12ヶ月齢から開始した治療的投与群においては対照群の50%までAβ沈着が減少していた。(Okura, Y. et al., Proc Natl Acad Sci USA, 103, 9619-9624, 2006)。平成20年度は、その作用機序を検索し、DNAワクチンによって産生された抗Aβ抗体が脳内に移行して老人斑に付着し、ミクログリアノドン職能を活性化すること明らかにして報告した (Okura, Y. et al., J Neuropathol Exp Neurol, 67, 1063-1071, 2008) 。さらに、これらの作用機序に基づいて新型ワクチンを開発し、モデルマウスにおいて顕著なAβ削減効果を観察している。また、老齢サル実験においても、DNAワクチン投与群で有意のAβの減少を観察している。年度当初予定していた (1)Aβ-DNAワクチンの作用機序を解明し、より効果や安全性の高い新型ワクチンを開発する、 (2)新型ワクチンを用いて、サルでの安全性と効果を確認し、臨床試験へ結びつける、の2点に重点研究を達成することができた。 これらの成果を基に臨床試験の前段階としての前臨床試験(非臨床試験)の完成を目指す。
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