研究課題/領域番号 |
19591096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江藤 浩之 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (50286986)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ES 細胞 / 巨核球 / 血小板 / 細胞骨格 / 再生医療 / 輸血 / ES細胞 / iPS細胞 / アクチン重合 / 造血 / 幹細胞 / 細胞環境 |
研究概要 |
WAVE2/Abi1複合体を介した巨核球成熟及び血小板産生の分子機構解明血小板産生に関わる様々な要因の内、巨核球への選択的分化、巨核球成熟、血小板放出などにはアクチン・ミオシン細胞骨格系の関与が示唆される。本研究では、アクチン制御分子Rhoファミリーの一つであるRacおよびそのエフェクターであるWAVEに焦点を当て、巨核球成熟、血小板放出機構におけるWAVE1,WAVE2の働きを明らかにした。WAVE1は、血小板産生を含む生体内造血においての関与は認められなかった。一方、WAVE2欠損マウスが胎生致死であることからWAVE2欠損胚性幹(ES)細胞を作製し、in vitroでの造血を観察した結果、WAVE2がAbi1との複合体構造維持により巨核球の多核化に伴う細胞質の拡大(成熟過程)および正常な血小板産生に必須であること、また血小板のインテグリン依存的細胞進展にもWAVE2/Abi1複合体が必須である事を明らかにした。 ヒトES細胞からの造血前駆細胞濃縮分子機構の解明と効率的血小板産生法への発展ヒトES細胞の分化培養系の開発を進め、内部に造血前駆細胞が濃縮される特異的な形態を持つネット様構造物の作成に成功した。このネット様構造物は、造血を促進維持するニッチの役割も担っていると考えられる。造血前駆細胞からは、血小板前駆細胞体である巨核球への分化成熟が促進されることが観察された。産生された巨核球からは血小板も放出され、電子顕微鏡観察、機能解析の結果よりヒト末梢血の血小板に相同する血小板がヒトES細胞から産生可能なことを証明した。 37℃培養条件で産生された血小板の機能維持血小板輸血製剤は、日赤から供給後20-24℃という非常に狭い温度設定で保存し、4 日以内の使用に限定されている。ES 細胞から作成した血小板は、血小板細胞膜上の止血機能に必至なGPIbα受容体が37℃条件下で容易に切断(shedding)されてしまうことを見出した。また、コラーゲン受容体であるGPVI も同様にshedding されることを明らかにした。ADAM ファミリー分子による修飾によるこれらのshedding は、メタロプロテアーゼ阻害剤により、血小板機能の保持に働くこと、培養時期の一定期間のみ阻害剤が必須であること、阻害剤処理血小板はinvivoでも機能を保持できることなどを発見した。
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