研究課題/領域番号 |
19591320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
池澤 善郎 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90046128)
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研究分担者 |
相原 道子 横浜市立大学, 附属病院, 教授 (90231753)
高橋 一夫 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (40264618)
中澤 正年 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (20217699)
松倉 節子 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (80448670)
池澤 優子 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (80457879)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2008年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎(AD) / 痒みと掻破行動 / 神経成長因子(Nerve growth factor ; NGF) / Semaphorin 3A(Sema3A) / AD自然発症モデルマウス / Super Th1細胞 / IL-18 / 調節T細胞 / Th1 / Th2サイトカイン / Super Th1 / Hemoxygenase-1 / Semaphorin3A(Sema3A) / 痒み / 掻破行動 |
研究概要 |
第1に、ヒト皮膚の神経成長因子(NGF)の非侵襲的な測定方法としてテープストリッピング法とELISA法により角層中のNGF量を測定すると、アトピー性皮膚炎(AD)患者の皮疹部の角層内NGF量は、健常人やADの無疹部と比べ有意に高値であり、皮疹スコア、〓痒、好酸球等の各種症状・検査指標とよく相関し、さらにステロイド外用薬や抗アレルギー薬の治療効果に一致して有意に低下したことから、ADの痒みやADの炎症を反映する有用な新規バイオマーカーとなることが期待される。第2に、前述したNGFの作用により促進された知覚神経の突起伸張を抑制する反発性軸索ガイダンス分子Semaphorin 3A(Sema 3A)を、ADのモデルマウスのAD様皮疹に局注することで、掻破行動を抑え皮疹の著明な改善をもたらし、組織学的に表皮内に侵入伸張しているPGP9.5陽性神経線維をほぼ正常皮膚レベルまで減少させ、真皮に浸潤しているCD4+T細胞数やIL-4産生細胞数が有意に減少したことから、痒みの強いAD病変に対して将来有望な新規治療薬となることが期待される。第3にADのモデルマウスDS-Nhの血清IL-18値はAD様皮疹スコアと有意に相関し、AD患者の血清IL-18値もADの皮疹スコアと有意に相関した。従って、ADの発症と悪化においてもDS-Nhの場合と同様にsuper Th1細胞が関与している可能性が高く、CD25+CD4+調節T細胞はこのsuper Th1細胞の誘導活性を免疫制御することが推定されるため、将来CD25+CD4+Foxp3+調節T細胞の誘導によるADの新規免疫療法の開発が期待される。またAD患者やDS-Nhマウスの血清や皮膚において環境ストレスを抑える作用があるHemoxygenase(HO-1)が増強し、DS-NhマウスにおけるAD様皮疹の発症・悪化がこのHO-1を誘導するヘミンの投与により抑えられるため、ADに対してこうした環境ストレス治療薬の臨床応用が期待される
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