研究概要 |
大うつ病性障害発症関連遺伝子の同定を行うため、大うつ病性障害患者と健康対照者での末梢血白血球由来の遺伝子発現の比較を行った。精神疾患の診断・統計マニュアル第4版,本文改訂版(DSM-IV-TR)により診断した大うつ病性障害において、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を行い、17項目の合計点が20以上の症例のうち、研究協力の同意を得られた8名から採血を行った。採血からの末梢血白血球からtotal RNAを抽出し、その抽出されたtotal RNAから遺伝子発現の定量解析を行った。アポトーシス関連タンパク(Bax, Bcl-2, Bcl-xL)の遺伝子のspecificprimer も用いて、real time RT-PCRを行い、遺伝子発現の定量解析を行ったが、Bcl-2 ,Bcl-xLについてはコントロール群との比較で殆ど差はみられず、Baxに関しては減少傾向がみられたが、有意な差とはならなかった。以上より、今回の研究では、病状形成に密接に関与している遺伝子の同定には至らなかった。
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