配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2008年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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研究概要 |
最初に、各脳神経核 : 前脳皮室(BF), 青斑核(LC), 視床下部室傍核(PVN), 縫線核(RN), 隆起乳頭体核(TMN)のうち内因性オレキシン(ORX)放出が測定可能な部位を調べた。BF, LC, PVNにおいて内因性ORX放出を認めたので、これらの部位で測定した。内因性ORX放出の多い時間帯は、17:00-24:00だった。意識下のラットに静脈麻酔薬であるプロポフォール(P)を静脈内投与するとBF, LCでのORX放出は濃度依存性に抑制され(BF : 1mg/kg 8.6±3%, 2mg/kg 15.3±13%, 3mg/kg 25.8±13.1%, LC : 1mg/kg 2.5±10%, 2mg/kg 10.4±13.1%, 3mg/kg 12±6.4%)、脳波上高振幅徐波化を認めるとともに筋電図上体動も減少した。BFとLCでのPによるORX放出抑制作用は、BFの方が有意に大きかった。次に吸入麻酔薬のイソフルラン(1~3%)に1時間暴露すると、前脳皮質(FC)および青斑核(LC)からのオレキシン(ORX)放出は用量依存性に抑制(1% 6±5%, 2% 11±8%, 3% 19±7%)された。その程度は、FCの方が大きかった。A2受容体作動薬であるデクスメデトミジン(DEX)は、PVNおよびLCからのORX放出を濃度依存性に抑制した (PVN 2μg/kg 10.4±13.1%, 5μg/kg 21.4±17.1%, 10μg/kg 35.4±22.1%, LC 2μg/kg 7.4±10.6, 5μg/kg 13.5±5.9%, 10μg/kg 23.1±8.6% )。LCよりもPVNでORX放出はより強く抑制された。この抑制作用は、α2受容体遮断薬(ヨヒンビン)の前投与で有意に抑制された。次にこれらの麻酔薬によるORX放出抑制作用がGiタンパク質共役型受容体を介しているか調べるために拮抗薬である百日咳毒素をマイクロダイアリシスプローベに灌流してその影響を調べた。その結果、DEXとイソフルランによる抑制作用は、百日咳毒素の灌流によって有意に抑制された。次にRNの5-HT放出に及ぼす麻酔薬の影響を調べた。ORXを投与してもRNからの5-HT放出には影響しなかった。また、BFからのヒスタミン放出にも影響しなかった。
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