研究課題
基盤研究(C)
一次知覚神経の末梢からの興奮は細胞体を介さず、軸索を介しそのまま中枢側の終末に伝わり、シナプスの存在しない知覚性神経節では神経伝達制御に関与しないと考えられている。しかしパルス刺激により三叉神経細胞体でNa^+の流入を認めた。このことは神経細胞体へも興奮伝導が伝わる可能性がある。また細胞外のCl_-濃度を下げる事によりそのNa^+の流入がほとんど無くなった。三叉神経節ではシナプスは存在しないが、細胞体周囲はsatellite cellによって取り囲まれている。細胞外ホメオスタシスはグリア細胞が担っており、ここ三叉神経節においても、グリア-ニューロン間でGABA_Bを介した動的な神経伝達制御が行われていると考察する。またGABA_B受容体R1およびR2サブユニットが神経細胞体において発現していた。三叉神経節におけるGABA_B受容体R2の機能解析においてGABA_B受容体R2KOマウスではわずかなSP(i.v.)刺激においても硬膜血漿漏出を引き起こしたが、R2を三叉神経節で発現しているwild typeは硬膜血漿漏出を認めなかった。これらの結果はGABA_B受容体R2は片頭痛の病態である血管漏出を抑制することを示唆する。
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