研究概要 |
近年, 進行子宮頸癌では化学療法併用放射線療法(CCRT)の有用性が報告されている.しかしながら化学療法を併用することによる治療成績向上の機序は明らかではない. 今回, 癌組織に強発現している血管新生因子であThymidine phospholylase(TP)がその機序のいったんを担っている可能性を検討すべく,子宮頸部扁平上皮癌症例での放射線療法単独治療群とCCRT群におけ癌組織内TPの動態について検討した. 方法はA群(単独治療群),B(放射線治療+doxyfluridine投与群), C群(放射線治療+cisplatin投与群)において放射線療法の進行ともに局所の癌組織を継時的に生検し癌組織中のTPをELISA法より測定し, その変動を検討した. そ結果,3群間にTPの有意な変動差は見出せなかった. 今回の検討結果より, CCRTの治療成績向上はTPの発現みによって左右されるものではなく, そ他の因子またはTPを含めた多因子の関与によってもたらされるものと考えられた.
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