研究概要 |
小腸移植において,グラフト腸管の障害過程を,マウスモデルを用いて検討した.特に慢性拒絶モデルにおいて,グラフト内に浸潤するメモリーT細胞と調節T細胞は有意に増加しており,これらの機能的な意義が示唆された.血管新生促進因子VEGFは,慢性拒絶モデルおよび虚血再灌流障害モデルにおいて,障害促進因子として機能することが明らかとなった.治療実験では,VEGF受容体阻害により,有意に障害が抑制し得ることを見いだした.また,ケモカインや核内受容体もこれらの障害に関与していることを新たに見いだした.さらに血管新生阻害因子Endostatinの投与により,慢性拒絶反応の抑制を図れる可能性が示された.
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