研究課題/領域番号 |
19592271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
西崎 宏 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80164549)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2008年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 歯学 / 電鋳 / テレスコープ / 維持 / 陰圧 |
研究概要 |
電鋳の技術を用いて製作した電鋳テレスコープの維持力の発現機序については詳細が明らかにされていない。そこで軸面と主軸との傾斜角度が0、2、4、6 度の内冠に対して電鋳テレスコープの外冠を製作し、人工唾液としてグリセリン水溶液(0、20、40、60、80%)を介在させて、その内冠内面に設置した圧力センサーを用いて計測した内外冠の間に発生する陰圧と引張圧縮試験機で計測した維持力の解析を行った。 1. 最大維持力は、20%以上の濃度のグリセリン水溶液で非介在時に比べて有意に上昇した。最大陰圧は4 度と6 度では、濃度が高くなっても大きな上昇を示さなかったが、0 度と2 度では、60%、80%と濃度が高くなるにしたがってより大きな増加を示した。4 度と6 度の電鋳テレスコープの維持力は低すぎて適切でなく、0 度の電鋳テレスコープも大きい維持力と長い発現時間から支台歯へ過度のストレスを与えることが推察され適切でないと考えられた。 2. 最大維持力は、2 度では外冠に穴を開けた時には有意な上昇は見られなかったが、穴が開いていないときは溶液非介在時に比べて最大維持力の有意な増加が60%と80%で見られた。このことから、2 度のテーパーの電鋳テレスコープにおいて唾液の粘性と内外冠の間に発現する陰圧が維持力を効果的に増加させることがわかった。 3. 維持力の発現距離が2 度の内冠では約1.5mmであったので内冠の歯頸部より1.5mmを軸面傾斜角0 度とし、その咬合面側を2 度で製作した混合型の内冠に対して電鋳で外冠を製作し同様の解析を行った。その結果、最大維持力と最大陰圧も濃度が高くなるほど高くなり、混合型は2 度のテーパーの電鋳テレスコープに比べて有意に大きかったが、0 度とは有意差がなかった。維持力発現距離は、混合型は0 度に比べて2 度と同様に有意に短くなり、維持力を低下させることなく支台歯にかかるエネルギーを減少させ、支台歯保護に役立つことがわかった。
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