研究概要 |
本研究の目的は, 社会保障の充実が親子関係を希薄にするという通念が, 合理的な親および子の行動の結果として理論的に正当化されるのかを検討することにある.本研究の大きな特徴は, 子の居住地の選択を明示的に考慮することである.なぜなら, 親と子の居住地の距離は, 子が親にアテンションを提供するためのコストの決定要因であり, アテンションの供給量に直接的な影響を及ぼすからである.本研究では、家族内所得移転や利他性に関する複数のセッティングの下で, 公的年金・介護保険が親子の相互依存関係に及ぼす影響について検討を行った.
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