研究課題/領域番号 |
19604004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際保険医療研究
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
阿部 賢治 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (60130415)
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連携研究者 |
PHUC Le Hoang ベトナム・ホーチミン第一小児病院, 消化器科
KHANH Hun Truong ベトナム・ホーチミン第一小児病院, 感染症科
TUNG Thanh Tran ベトナム・ホーチミン第一小児病院, 病理科
PHIET Hoang Pham ベトナム・ホーチミン医科薬科大学, 消化器科
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 肝炎ウイルス / A型肝炎 / E型肝炎 / 劇症肝炎 / 小児肝炎 / 非B非C型肝炎 / 国際保健 / 疫学 / 成因不明肝炎 |
研究概要 |
東南アジア4カ国におけるHEVの血清疫学調査を実施した結果、HEV-IgG抗体陽性率はタイ(バンコク)・27%、ベトナム(ホーチミン)・42%、ミャンマー(ヤンゴン)・35%、ネパール(カトマンズ)・66%といずれも高値を示した。年代別抗体獲得率は、16~30歳代で既に20%を越えていた。ネパールでは、非B非C型急性肝炎と診断された25例において、14例(56%)がIgMクラスHEV抗体陽性を示した。このうち3例で血中HEV RNA陽性を示し、その遺伝子解析からHEVゲノタイプ1に属した。 ベトナムの小児における成因不明肝炎の実態を調査した。臨床的に非B非C型肝炎と診断された急性肝炎26例および劇症肝炎7例の小児患者を対象とした。その結果、IgM-HAV抗体が急性肝炎26例中18例(69.2%)、劇症肝炎7例中1例(14.3%)で検出された。さらに、急性期の血清中を用いたPCR法にて、HAV RNAが急性肝炎5例(19.2%)、劇症肝炎2例(28.6%)で検出された。HAV RNA陽性を示した7例のうち、2例(28.6%)はIgM-HAV抗体が陰性であった。さらに、HAV RNA陽性7例のPCR産物を用いて、direct sequenceにより VP1領域の塩基配列を決定した後、分子系統樹を近隣結合法にて作成し、ゲノタイプ分類を行った。その結果、全ての分離株はゲノタイプIAに属した。HAVベトナム株は、同一クラスターを形成し、近隣のタイやインド株とは異なった集団を形成した。この成績から、ベトナムではHAV感染が、非B非C型急性および劇症肝炎発症に深く関わっていることが示唆された。HAVベトナム株のゲノムを解析・誌上発表したのは、本研究が初である。 この他、保健医療向上を目指して、ベトナム・ホーチミン市の主要な医療機関にて、血清診断、遺伝子診断、病理診断に関する技術指導を実施した。
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