研究概要 |
1. 自然物体・現象を可視化媒体としたレーザプロジェクション技術の開発 降雪への投射や積雪への投射効果について実験を行い, 積雪はスクリーンとして, 降雪はビームの可視化媒体として十分に活用できることが分かった. また, 樹木(大木)への投射実験も行い, 投射側から観察するスクリーンとして活用可能であることも分かった. 防風林や街路樹の活用が期待できる. 2. 天空でのグラフィックス技術の開発 スクリーンを用いない投射では, 観察者側への反射が弱く認識が難しかった. また, 平行ビームの消失点により認識を容易にできることを期待し, 投射を試みたが, やはり良好な結果は得られなかった. ただし, レーザ強度にも依存すると思われるので, 結論を出すためには, さらなる検討が必要である. (購入したプロジェクタの強度300mWでは, 降雪や靄など可視化媒体密度が高くないと可視化されなかった.) 3. 効率的で自由度の高いビーム投射技術の開発 (1) タイミングを自動的に取るチューニング法 レーザプロジェクタは電子的な要素と機械的な要素からなるため連続する描画コマンド間に適当な待ち時間をとらないと, ビームのon, offのタイミングや, 角の描画において, 描画データとの間に不一致が発生する. この待ち時間を自動的に取る手法を開発した. (2) ベクトルデータから効率的な一筆描きを構成する方法 レーザプロジェクタでの描画は, 与えられたベクトルデータにビームをoffにして走査するブランクベクトルを加えて一筆描きをすることである. 最小数のブランクベクトルデータと描画に適する一筆描き順を求めるアルゴリズムを開発した. (3)並列投射を可能とするためのキャリブレーション法 一般的な平面スクリーンではなく, 任意の可視化媒体(曲面スクリーン)を仮定し, 描画の歪みを補正し, 複数台のプロジェクタにより, 複雑度の高い描画を可能とする方法を開発した.
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