研究課題/領域番号 |
19650016
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
メディア情報学・データベース
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱野 保樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70156412)
|
研究分担者 |
久保 友香 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (70451896)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | コンピュータ・グラフィックス / コンピュータ・グラフィクス |
研究概要 |
江戸時代、透視図法が伝来したにも関わらず、浮世絵は透視図法に従わずに描かれた。本研究では透視図法で描かれていない浮世絵の構図を、透視図法を原理とする3DCGで再現する構図法の構築を行い、その構図法を自動化させる構図変換のプログラムの開発を行った。具体的には、まず、昨年度の定量分析によって明らかになった、浮世絵の構図の透視図に対するずれの特徴、すなわち透視図では平行な直線が一点で交わるように描かれるが、浮世絵の構図では左側面の平行線は左に、右側面の平行線は右に、離れで収束する特徴を、3DCGによって再現する方法を構築した。その方法とは、まず透視図を3次元の直方体に復元し、次に直方体の左右側面を回転させ、最後にできた立体を、透視投影させることによって、浮世絵の特徴を持つ構図を生成する方法である。次に、透視図を浮世絵の構図へ自動的に変換する3DCGプログラムの作成を行った。プログラムの内容は、大きく分けて二つに分かれる。第一に、入力する透視図において、ユーザーが手動で指定したオブジェクトを、上述の構図法に従って自動的に3次元上で変換し、浮世絵の構図を生成することである。第二に、変換後に生成するオブジェクト間の溝を自動的に補完することである。プログラムをアニメーションに応用させるためには、できた溝の補完に時間がかかる問題の解決が必要である。 浮世絵の構図は、1860年代のジャポニズムでは西洋の作家に影響を与えた。また、戦後発展し、世界的評価を受ける日本のセルアニメーションにおいても同様の構図が多くみられる。プログラムの完成によって、この構図法が実用化し、日本独自の表現手法がスタジオにおける3DCGアニメーション制作で活かされれば、国際競争力を持つ日本のアニメーションの産業の維持と発展に貢献することになる。
|