研究概要 |
(1)製品のユーザインタフェース操作に適したデジタルハンド把持姿勢自動生成手法の開発 デジタルハンドに対する把持姿勢の容易な把持姿勢例題のデータベースを用い, 対話入力なしに, 情報機器に適した把持姿勢を自動導出できる新たな把持姿勢生成法を提案した. まず把持させたい製品モデルに対し, データベースへ登録された既存の把持姿勢例題中から, 入力製品形状を幾何学的に把持可能な全ての姿勢候補を形状マッチングにより探索し, 次に上肢関節可動性と製品表示部可視性という2種類の幾何学的制約に基づき, 姿勢候補の効率的な絞り込みを行うことで, 入力された情報機器の把持と操作に適合したごく少数の姿勢候補のみを導出可能なことを, 2種類の情報機器製品モデル(デジタル1眼レフカメラ, 携帯電話)に対する把持姿勢生成の計算機実験から明らかにした. (2)製品再設計のためのフィット性を考慮したデジタルハンド把持姿勢自動生成手法の開発 持ちやすさの第三の評価指標として, 筐体と手の問の「フィット性」の仮想評価手法を提案するとともに, フィット性に優れた把持姿勢を最適化に基づき生成する手法を提案した. すなわち, ハンド・筐体間の接触点数, 筐体凸稜線部への指腹部分の重複程度, 手指関節角の連動性の3者から構成されるフィット性を表した目的関数を設定し, その最適化に基づき把持姿勢を自動決定する手法を開発している. また市販一眼レフカメラのグリップ部を対象に, 推定された最適把持姿勢を実被験者に再現させ, その姿。勢が人間にとっても, よりフィット感の高い妥当な姿勢であることを実験的に検証した.
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