研究概要 |
平成20年度は本研究課題の最終年度として(1)~(3)の3点に取り組んだ. (1)査読付き論文誌への投稿:前年度から継続して行った漫才対話の分析により,オープンコミュニケーションとしての漫才対話が持つ外部指向性の実現が演者のマルチモーダルな指向性の統合と乖離に基づくことが明らかとなった.その成果は日本知能情報ファジィ学会誌である『知能と情報』に採択され,出版されることとなった. (2)国際ワークショップの開催:本研究課題における問題関心を内外の多くの研究者と共有するため,20年6月に北海道において国際ワークショップとして,LIBM'08(First International Workshop on Laughter in Interaction and Body Movement)を開催した.ここでは分担者である大庭と榎本がそれぞれ本研究課題に関する報告を行ったほか,海外から2名の招待講演者を迎え,全部で8件の一般発表を集める運びとなり,内外で好評を博した.また,本研究課題に関心を持つ多数の研究者との知己を得て,次年度からの新しいプロジェクトに発展する端緒ともなったことも特筆しておく. (3)一般向けチュートリアルでの広報活動:分担者岡本は,20年7月に東京工業大学で開かれた第57回人工知能セミナー「多人数インタラクションの分析手法」において,本研究課題において得られた漫才対話のマルチモーダル分析の手法と知見についてチュートリアル講演を行った.これにより,本研究課題に対する一般層への関心を集めることができた.
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