研究課題/領域番号 |
19650048
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
感性情報学・ソフトコンピューティング
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
久野 節二 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (70136216)
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研究分担者 |
五十殿 利治 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60177300)
山中 敏正 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00261793)
首藤 文洋 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10326837)
大島 直樹 北海道情報大学, 情報メディア学部, 准教授 (50375466)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 嗅覚 / 視覚 / 絵画鑑賞 / 感性 / 脳機能 |
研究概要 |
抽象画と具象画を鑑賞中に、ヒノキの匂いの提示あり(提示群:13名、男性7、女性6)と提示なし(非提示群19名:男性8、女性11)の2群に被験者を分け、1)瞳孔径計測(交感神経活動指標)、2)眼球運動(視線移動速度、注視点の広がり、注視時間)の測定、及び3)絵画の印象評価を「面白さ」「美しさ」「好ましさ」の3項目に関する5段階評価アンケート調査を行った。瞳孔径は、匂い提示により有意に散大するが、絵画種類との相関は認められなかった。さらに、匂い提示による視線移動速度の増加と注視時間の短縮が観察されたが、絵画の種類との相関性は認められなかった。注視点の広がりについては、具象画より抽象画において作品を広範囲に鑑賞することが明らかになったが、匂いの提示効果は認められなかった。アンケートによる印象調査においては、匂い提示により直感的評価が影響されやすい絵画と評価項目の組合せがあることが示唆された。光トポグラフィデータの解析方法について、低周波パスフィルター処理により効果的なノイズ除去が可能となった。今回は、この方法を適用することにより、実験時の脳内酸素化ヘモグロビン量の変化をリアルタイムで解析することができた。前頭葉の光トポグラフィ計測では、13名の被験者を対象に実験を行ったが、4名(男性2名、女性2名)のみ解析可能なデータが取得できた。ヒノキの匂いを受容している状況での絵画鑑賞では、具象画鑑賞時に全体的に酸素化ヘモグロビン量が多い傾向が認められた。特に、左前頭葉内側部で酸素化ヘモグロビン量の増加が顕著であった。一方、右前頭葉内側部では、抽象画鑑賞時に酸素化ヘモグロビン量の低下が認められた。今後は、匂いを提示しない過去データについても新しい解析方法を適用して、リアルタイムでの前頭葉活動変化を求め今回のデータと比較検討する予定である。
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