配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
本年度は3年間の研究の最終年度にあたり,全体のまとめを行った.バッグの理論は全体的にみて,不確実性を表現するモデルとして,確率論の枠組みを書き換えるものではないが,ファジィ理論に代わるものであり,応用分野によっては,ファジィ理論を超える可能性が示された.得られた成果は次の通りである.1.実数値バッグとファジィ理論との関係を考察し,それらの間の対応を明らかにした.これにより,実数値バッグとファジィ理論の長所と短所が明らかになった.ファジィ制御のような応用ではファジィ理論が優れている一方,実数値バッグは意思決定や最適化への応用において,より優れた性質をもつことがわかった.2.バッグやファジィ理論と対比できるいま一つの概念として,トール集合の考察を始めた.これらの関連性は本研究の期間後も継続する.3.ファジィ関係に比べて,一層良い理論的性質をもつバッグ関係とトール関係の理論を構筑した.バッグ関係演算として,max-s演算,max-t演算を定義した.ここで,tとsは,実数値バッグのsノルムおよびtノルムである.また,トール関係演算として,min-s演算,min-t演算を定義した,tとsは,トール集合のsノルムおよびtノルムである.これらの演算の代数的性質を明らかにし,一種の行列演算とみなすことができることを示した.4.また,ファジィバッグとその拡張形をテキストマイニングのため用いる方法を示した. これらの結果を3つの論文にまとめ,さらに,2009年8月に中国南昌で行われた国際会議IEEE GrC2009にて成果を総合した基調講演を行った.
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