研究課題/領域番号 |
19650081
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山崎 由美子 独立行政法人理化学研究所, 象徴概念発達研究チーム, 客員研究員 (20399447)
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研究分担者 |
入來 篤史 独立行政法人理化学研究所, 象徴概念発達研究, チームリーダー (70184843)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2007年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 神経科学 / 認知科学 |
研究概要 |
道具使用はヒト以外の動物にも例があるが、それらは手や嘴など、効果器の及ぼす力を強めたり、補助したりする「運動道具」として分類できる。ヒトはそればかりでなく、双眼鏡、顕微鏡、マイクなど、感覚器の補助や付加的な感覚器としての「感覚道具」を使用する。このことは、ヒトとヒト以外の動物との間に、認知的能力における大きな差異があることを示唆するが、表出行動としては持たなくても、感覚道具使用に関連ある、あるいはこれを可能にする前駆的な能力が、いくつかの種で共有されていると考えることも可能である。そこで、本研究では、ニホンザルに感覚道具の使用を訓練し獲得させることを試み、ヒト固有の感覚道具を可能にさせた行動的前提条件を明らかにし、体系立てることを目的とした。昨年度は、1頭のサルに、運動道具(熊手)使用獲得の後、鏡、モニターを用いて最終的な感覚道具使用に必要な行動的要素を訓練し、最終的に熊手道具の先についたカメラからの映像をモニター上で見ながら、餌を探し、見つけたら熊手を使って取る行動を獲得させた。本年度はこの訓練プロトコルを整理検討し、妥当なものだったかどうかを、別のサルを訓練することにより評価した。その結果、2頭目において、1頭目よりもより効率的に感覚道具を獲得することができた。中でも、隠された餌を鏡映像を利用して取る訓練段階が最も困難であったことは2頭に共通しており、外部物体に転置された刺激(鏡映像)を、自己運動と同期したものとして認識することが、一連の行動獲得の重要な要素となっていたことが示された。
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