研究課題/領域番号 |
19650119
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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研究分担者 |
池田 満里子 (池田 満理子) 慶應義塾大学, 理工学部, 名誉教授 (00051368)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | バイオ人工肝臓 / システムデザイン / 3次元積層化 / バイオメカニクス / 毛細血管 / 小型肝細胞 / 生体吸収性膜 / 共培養 / 肝細胞 / 内皮細胞 / 積層化 / 医工学 / ミクロ領域 / 3次元組織形成 / 胆管 / ネットワーク |
研究概要 |
本研究では、肝臓組織の再構築を目的にして、肝細胞などの細胞を積層化させて3次元組織を再構築する事を実現させた。ここで、我々は細胞のミクロ環境を整えて組織形成を促進させることを細胞システムデザインと呼び、組織形成を生み出す細胞本来の機能を誘発させる最適な環境を見出すことが極めて重要であると考えている。即ち、細胞のシステムデザインとは、バイオメカニクスと発生生物学の融合で、物理的(力学的)な刺激を負荷することにより、細胞組織が応答し、組織形成を促進させるミクロ環境を生み出させる。そのミクロ環境が、発生生物学に合致したものになるように、組織形成プロセスをデザインすることである。そこで、肝細胞の積層化に加えて、毛細血管網の形成が必要である。我々は内皮細胞層に力学的刺激を負荷することによって、毛細血管の3次元ネットワークが大きく拡大し、120μmm程度の深さまで侵入させるノウハウを確立させた。そのような血管網形成を目的として、内皮細胞と小型肝細胞の共培養系の実験を進めているが、肝臓内に存在する伊東細胞が極めて重要な仲介役をしていることが明らかになった。さらに、生体吸収性微孔性膜を活用して、3次元の積層化に成功した。これは、乳酸-グリコール酸共重合体微孔性膜を作成し、微孔性膜上に肝細胞を播種して細胞シートを作成してから、それらを重ね合わせた所、上下で細胞間の相互作用が生じ、さらに微孔性膜は時間と共に消失して、完全に肝細胞のみによる3次元構造が実現出来た。この成果は、将来の肝臓組織再生の実用化に一歩近づいたと言える。
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