研究課題/領域番号 |
19650133
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
寺本 憲功 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (40294912)
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研究分担者 |
伊東 啓行 九州大学, 大学病院, 講師 (10346778)
小玉 哲也 東北大学, 先進医工学研究機構, 准教授 (40271986)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | イオンチャネル / ナノバイオ / 遺伝子治療 / 低侵襲性治療 / 低侵襲治療 / ナノテク |
研究概要 |
我々は様々な低分子の安定ガスを用いてナノサイズのガス粒子およびGFP発現遺伝子を共に封入させ、さらにその周囲を様々な種類のリン脂質を用いて新規ハイブリッド型ナノバブルを試作した。これらの作成したハイブリッド型ナノバブルを用いてHEK293細胞(培養細胞)へのGFP発現遺伝子の導入効率を指標としGFP蛍光をFACSにて計測しその導入効率を定量化した。その結果、最終的に低分子の安定ガスとしてはC_3F_8ガス、またリン脂質としては (Distearoyl-Phosphocholine)-Distearoyl-Phosphoethanolamine-Poly Ethylene Glycolと(Distearoyl phosphatidylcholine)-Poly Ethylene Glycolを選び、ハイブリッド型ナノバブルを完成した。本ハイブリッド型ナノバブルは下記の優れた特徴を有した。 1)リン脂質から成る脂質2重膜内の液相中に導入遺伝子が内封され、血液(体液)中でも導入遺伝子(cDNA)はエンドヌクレアーゼにて加水分解されない。 2)ハイブリッド型ナノバブル内には液相が存在する。この液相中に水溶性のプラスミドDNAが溶解し、導入遺伝子は長期間、安定した状態でハイブリッド型ナノバブル内に保存される。 3)ハイブリッド型ナノバブル内にはC_3F_8ガスから成るナノサイズの微小ガス粒子が含まれ、封入された導入遺伝子の近傍にてC_3F_8ガスによる有効かつ強力な衝撃波が生じるため、in vivo条件における遺伝子導入効率が極めて高い。 4)ハイブリッド型ナノバブルはリン脂質2重膜にてコートされているため、ゼータ電位がほとんど無い。したがってマイナス電荷に帯電している細胞膜に対しても何ら影響なく接近し細胞内に導入することが可能である。 すなわち、本ハイブリッド型ナノバブルはソノポレーション法による低侵襲性遺伝子導入の臨床応用に向け、今後、極めて有用なナノサイズレベルの遺伝子導入ツールに成りうると考えた。現在、本研究成果を基に特許の申請準備および原著論文の執筆中である。
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